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日々雑感

幸せは日々の、雫のような時のなかにある。
毎月、つれづれなるままに・・・
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台所考

 日々雑感           渡辺範子
   今日の雨はしっとり、ここちよい。
若い友人を招いて食事をすることになっている。
レオナルド・ダ・ヴィンチが咲いたばかりで「ベランダでの食事いいぞう」と喜んでいた夫には少々残念な雨。
ダ・ヴィンチは薔薇、名前に魅かれて夫が苗をかってきたのだ。
今、べランダではこのローズ色のダ・ヴィンチが幾重にも織りなされた美しい姿を見せ、紫色のラヴェンダー、ローズゼラニウム、レモンハーブ、ディールらが伸び伸びと緑の風を吸って育ち、雨に濡れている。何もなくてもこれだけでご馳走というわけだった。

我家の台所の近頃については、夫抜きには語れない。
「凝ったら本格的」というような男の特異な手料理ではないのだ。
素材があって応用が効いて飽きないお袋の味的な、といえばいいだろうか、ご本人は「木工と同じ、心をこめて、手を抜かず」とのたまう。
 時々若いお客様が来られるときは、夫のメインに私の添え物という感じでご馳走することがある。
ビーフシチュー、お豆のスープ、カレーライスというところだが、ここで手を抜かないのが夫の心を込めてになる。
たまねぎ人参セロリに皮付きにんにく、トマトにパセリ タイム ローリエ、炒めて漉して茶色の出し汁を作るという陰の力がシチューのおいしさにつながる。
お豆のスープは私の好物。すり鉢とすりこ木でゴリゴリしあげたバジルペーストを添えるのがみそだ。
夫婦とも日ごろ一汁一菜が心地良い年齢になってきて、胡麻和えにお澄まし焼き魚といったメニューが多い。
お澄ましが味噌汁やかす汁、船場汁と変化したり、胡麻和えが酢味噌和えや鰹節醤油に変化する。
煮魚や南蛮つけも上々である。
台所についての考察は、鍋につきるのではないかしら。
そこで、ごろごろある鍋すべてあげてみる。
両手鍋はひとつ、嫁入り道具のアルミ製、「手鍋提げても」と言いますから・・・オレンジ色のフランス製鋳物鍋は何年か前デパートの特売で見付けた掘り出し物ル・クルーゼ。
中華なべ大小各一つにフライパン、寸胴鍋が大小,大は筍湯がきの必需品。片手鍋大1中3、何故3台もあるかと言うとあまり古くなってきたので一台購入そして1台廃棄のつもりがそのまま居座っているというわけだ。圧力鍋は愛用していたが近頃保温鍋なるものに代わられシュシュポポという懐かしい音が絶えて久しい。
保温鍋は大小3台ある。野菜の下ごしらえは勿論、お豆を煮るのにも上々、しゅうっと一煮立ちさせて後は保温、博士鍋という異名ももったすぐれものだ。
タジン鍋は、娘の幼馴染がプレゼントしてくれた。三角のピエロの帽子みたいな蓋をもった不思議な鍋で蒸して直ぐいただけるというのが面白くてこの冬おおいに活躍した。
夫が通販で購入した黒い土鍋は冬は小学生にご馳走するといって玄関先にストーブを置いてこの鍋で焼き芋をつくっていた。
今凝っているのは木工で出た桜のチップを利用してつくるベーコンすなわち豚の燻製で、この土鍋が役立っている。
 道具類は戸棚に片付けてすっきりスマートな台所と行きたいところだが、この鍋たち、いやに人格があって、すっきりと納まるよりも、おしゃべりしたり、笑ったり、ふくれたりしていそうな空気をもっているのだ。「今日のゲスト素敵なご夫婦じゃないかい」などと
ぐつぐつシチュウを煮ながら言っていそうな、しっとりいい雨だねえと目を細めていそうな鍋たちなのだ

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