RECOMMEND
RECOMMEND
SELECTED ENTRIES
RECENT COMMENTS
CATEGORIES
ARCHIVES
MOBILE
qrcode
LINKS
PROFILE
OTHERS

05
--
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
--
>>
<<
--

日々雑感

幸せは日々の、雫のような時のなかにある。
毎月、つれづれなるままに・・・
<< 一旦は赤になる気で芽吹きおり | main | 墓参 >>
茅葺音楽堂
 

日々雑感           渡辺範子

台風2号接近の中を京都丹後まで車を走らせました。

羽曳野から高速に入り吹田、雨足が強く跳ね返る水しぶきに視界が遮られます。薄い霧の出ているルートもあって少々無理をしたかしらという思いが頭をかすめたのですが夫は自信満々でハンドルを握る人です。桂川だと夫が指す方を見るとなかなかの水量、京都にも大雨警報が出たようです。

私は覚悟をきめて風景に没頭いたします。

田植えを終えた田んぼに一直線に雨が刺す様にきりりとした潔さを感じ、悪くないじゃないと独り言。雨の中に青い田んぼが続きます。

目的地は南丹市日吉町胡麻の里、かやぶき音楽堂です。

古寺を移築したというこの音楽堂の主はピアニストです。

初夏と秋にひらかれるコンサートは好評で何度かメディアに登場されたのを目にしながら機会をなくしていました。夫に誘われ月末の台風の日曜日、今日が初体験となったのであります。

細い田んぼ道にざあっとあふれた水をざぶっとタイヤが蹴散らしてやっと止まったのが胡麻の里。

音楽堂までのアプローチには美しいあやめが数本、すっくと雨に似合っています。会場に入るまでに水の洗礼、夫は足元を濡らし私も雨のかかったワンピースの裾が気にかかります。

ところがところが、何でしょうこの空気、いいのです。

大雨なのに雨の音がしません。静かであたたかい。

私たちは空いていた2階の席に案内されて梯子をのぼりました。入母屋つくりのこの建物の丁度屋根の裏側になるのがここで、10人ぐらいが屋根裏にそって一列に並びました。お座布団が10枚、吹き抜けの天井は縄で随所が締めてあります。茅葺職人の腕の見せ所でしょうか、屋根の構造を中から見ているわけで興味がそそられます。1階席にいらっしゃる人を見下ろして屋根裏に目線を移すと3階4階へ登る梯子段もあります。舞台は1階、結界の竹細工と野の花の向こうにピアノが2台置いてあります。舞台の背景は大きなガラス戸になっていて竹林が雨に濡れ美しいといったらありません。私たちの足の下を、そうオープンな2階で桟があるだけですから伸ばした足の下に、今日の出演者ザイラーさんが現れたのです。申し訳なくてあわてて足をひっこめました。

ザイラーさんは銅鑼の前に立ち最初は静かに次第に強く銅鑼をたたき最後のひとたたきが今日の音楽会の始まりを知らせます。

クラシックのコンサートで始めてこんな趣向を見ました。わくわくしました。そして響き渡る音色、リスト、シューベルト、すばらしい。

 音楽のことはさておき不思議なうれしい出会いのことを書かなくてはなりません。なんとこの屋根裏の一列10人に繋がりがあったのです。「どちらからですか」と問いかけたのがきっかけで私はお隣の女性とおしゃべりを始めたのですが彼女の隣の方になぜか見覚えがあるのです。「どこかで」と彼女もこちらをご覧になって首を傾げていらっしゃいます。お会いしたことがあったのです。もう何年か前に彼女の勤めていた保育園の職員研修に伺ったことがあったのでした。驚きました。うれしくて不思議不思議とみんなで握手、なんだかこんな時って大人でもはしゃいだ気持ちになりますね。

ところで夫もまた向こう隣の外国の方とおしゃべりしています。

英語がとびかって河内長野から来たとか富田林は知ってるとか、

ファニュチャアを作ってるとかプロフェッサーだとか夫は習っている英会話を駆使しておしゃべりが弾んでいます。

 よく聴いて見ると大阪芸大の環境デザイン科教授でまもなく定年を迎え日本に永住されるとか、富田林はよくご存知のはずです。

ヴァイオリンやビオラをアマチュアオーケストラで弾いていらっしゃるとのことなので私たちが主催する音楽会にお誘いしました。

一期一会、出会いの不思議大切にしたいものです。

 

今、机の窓からぼんやりと庭の木をながめています。

樫の木の枝先は濡れたような柔らかな新芽が芽吹きました。

隣のかえでは早春、まず真っ赤で美しい葉に覆われます。

先端の妖精のような可憐な花がそよ風に揺れて、まるでバレリーナのようで、なんとも魅力的です。このかえで夏にむけて緑に変わり、秋には紅葉を見せてくれるのです。

柘榴の木も赤い新芽を見せ始めました。

庭の隅にひっそり小さな木でしたのに、今やなんとも言えぬ存在感です。大きくなり過ぎてお隣へのご迷惑になると夫が横合いに伸びた太枝を鋸で剪定,残った枝先のかわいいい新芽です。

木肌はそれぞれ個性的です。

この柘榴は白っぽい幹がうねるように伸びて来ました。少々不恰好かもしれませんが力強く頑張って生きてきたようで根元はがっしり一抱えの岩のように太くなりました。

樫の木も植えた時の倍は伸びたでしょう、ところどころ瘤があって虫の卵が幹にとまっています。黒っぽい幹の色が落ち着いた風格を感じさせます。これらは我が家では大木と認めております。

一緒に年を重ねた同士です。瘤やうねり、あちこちに方向を変えられてなお空に向かう。頑張ってるじゃあないですか。

大木の下にクリスマスローズや紫陽花、沈丁花などがやはり春を謳歌、萌え出して嬉しそうです。

台所の窓の下では、青ねぎやローズマリー、イタリアンパセリなどがプランターに育ち、食卓に季節を届けます。

青い香りが好きになったのはいつごろだったでしょう。

茗荷や紫蘇、木の芽に三つ葉、菊菜、水菜、青いとはいえませんが生姜、それに七味唐辛子どれも子どもの頃から妙になじんでいたように思うのです。舶来さんが

きがったんは赤になる気で芽吹きおり」とお読みになった俳人に

この季節共感して何度も口ずさんでしまいます。

、新しい生活を始めた一年生たちはまさに春の芽吹きです。

| - | 11:12 | - | - | pookmark |