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日々雑感

幸せは日々の、雫のような時のなかにある。
毎月、つれづれなるままに・・・
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ほっこり
 

日々雑感           渡辺範子

今年の春一番は吹かず変則、今日の嵐は春の先駆けと天気予報が知らせた。朝からの客も寒がりの私も真冬の服装、「いつまでも寒いですねえ」「風がつよいこと」と気候の挨拶は変わらない。

強い風に我が家の藪椿が激しく揺れている。柘榴は木守の実ひとつを残して真裸でたっている。

しかし根元のあじさいには若い緑の新芽が伸びやかに葉を広げだしたし、沈丁花、クリスマスローズが清らかな花姿を見せてくれているし、まだ硬かった樫の木の冬芽も春の日差しを喜んでいる。

玄関先のアネモネは次々花開き「春は楽しみやぞ」と見守っていた夫は上機嫌なのだ。

「充分寒いこれが大切なんや」寒さの中に芽を出したアネモネを愛しんでいた。「急いで大きくならんでいいんや、じっくり育つから丈夫になる」と。

寒さの中たくましく育ち緑濃くなった葉が雪にすっかり埋もれた。

翌日見事に霜枯れもせずすっくと立ち上がっている姿は凛々しく、誇らしげにみえた。

「たくましいなあ、ほら 見てみ」子どもを見るように夫は目を細めていた。

はなかんざしは楚楚と咲く。真っ白で可憐な姿は私好み、水仙の蕾は葉の奥に隠れていたつい先日から、陽射しに誘われぐんぐん茎を伸ばしまもなく開きそうだ。

紫のヒヤシンスは捨て植えしておいたものが芽を吹き「どうだい」とばかり力強い。

植物の勢い、生物のしたたかさに励まされるのだ。

 

 お彼岸の昼前、暖かいお鍋をさげて訪ねてくれた友、ふっくらした丸い土鍋の蓋を開けるとまだ湯気が上がる。

ぷうんといい匂いがしてなんと言えばいいのか彼女の優しさあたたかさに涙がこみあげてきた。

「お出汁だけで煮たんですよ」と塩を控えている私を気遣ってくれたお鍋、「畑の野菜がつぎつぎ収穫されるから考えた献立だ」とか

真ん中にでんと玉ねぎが入り周囲を乱切りのかぼちゃ、じゃがいも、厚めの輪切りでさつま芋が取り囲んでいる。

まず かぼちゃ、これがおいしいのでため息がでる。じゃがいも、大根とすすむと隠れていた花形に切った人参が出てきた。そして蓮根、野菜の甘味、旨みがとけあっている。彼女が育てた野菜たち、嬉しいご馳走だ。

滋養という言葉がぴったり、春を告げる菜の花のおひたしまで添えて、身体の中から幸せの音符が飛び出して踊り始めるような喜びに満たされた。

 

テラスで、どんどん にぎやかな音がするのは夫の大工仕事だ。

夫は、ハーブが茂って 薔薇が咲いて 新芽たちに覆われる春にはテラスで食事という絵を描いている。

昨年の夏にやりのこした床の張り替えの続きなのだ。

新しい床材は冬の間テラスの隅に積まれていた。

陽射しにさそわれ俄然モチベーションが高まったのか、夫の木工

は家具からテラスに向いた。まず古い床材を剥がし階下に降ろす。重労働はもちろんだが気長に着実にし遂げていくのには、感心する。

ただし光の具合で合間に庭仕事が入る。そう春の光は心の中をぱあっと照らすからモチベーションは一気に植物に向かう。

「ゆっくり、ぼちぼちやるしかないなあ」と自分を納得させている。

 

春近し三話、寒がりの私だが心はほっこり春がきた。

| - | 14:55 | - | - | pookmark |