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日々雑感

幸せは日々の、雫のような時のなかにある。
毎月、つれづれなるままに・・・
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小春日和 十字峠へ
 

小春日和の午後 「こんな日はもったいない紅葉狩りといくか」
と夫、思い立って昼食を済ませ車を走らせた。いつもの通勤
コースである。河合寺を抜けカーブのところに一本、真っ赤に
染まるもみじがある。「いいなあ」と まず深呼吸するのも、
いつもと同じ。
道路の両側から迫る木々は秋真っ盛りを歌う。

山々が織り成す錦にため息をつく。

ここら当たりから車が混みだして観心寺の駐車場は満員の盛況、
どなたも いい顔で、お寺へ入っていかれる。嬉しくなる。

保育園を覆う大木になった川沿いの もみじばすずかけは誇ら
しげに朱色や黄、赤に染め分けた葉を風に揺すらせている。

どんなに疲れていてもこの道中のお陰で心と身体が蘇るのだ。

 日々 天候や風向き、湿度や温度、時間の推移が風景の彩り
を変えるので飽きることはない。

観心寺を過ぎて鳩原、太井、小深。

この辺りから通っていた懐かしい子どもたちの顔が浮かぶ。

無認可の幼稚園だった頃、私はお寺の講堂で子どもたちと過ご
した。あの子どもたちは今どうしているのだろう。

 消息の分からない子が気にかかる。幼い一途な目で私を見てい
た。若くして逝った子もいる。おかあさんはお元気だろうか、

私のように心の底から消えない涙の水溜りをお持ちだろうか。

水溜りが溢れないよう逝った子を偲んでいらっしゃるのだろうか。

 

小深あたりから一気に気温は下がる。
それでも透き通った空気を吸いたくて車窓は全開。
気持ちがいい。

目的の十字峠は友人の山に繋がる。山に入らせていただくことを
理ったら,)近くまで車で行けばいいと快い返事。

 歩き始めてすぐ身体が喜ぶのを感じる。

鬱蒼とした檜林、さっきまでの色とりどりの華やかさは無い。    
森閑として見えない尊い力に満たされている。

木漏れ日が檜の木一本一本を光らせていく。

天に向かってすっくと伸びた木は、行き届いた手入れを示してい

る、除伐、枝打ち、間伐、歩いている山道も間伐材で土手を補強

してある。枯れた木を伐採した後もある。
作られた薪は、整然と並べ積み
上げられて白い肌を見せている。

大変な重労働、すぐに利点が見え結果が示されるものではない。

山と語り、山を愛し、長い時を経て関わった人々があることを思

った。いやそんな理屈ではなく、ただ何か尊いものに抱かれたよう

な気がしたのだ。なぜか涙が出てきた。

友人から十字峠の台風被害を聞いて胸を痛めたのは14年前の

ことだった。「愕然としてしゃがみこんだ主人の後姿・・・
木々が倒れ山にぽっかり穴が開いてそこから陽が差して・・」という
彼女の言葉が忘れられない。
曽祖父、祖父、息子、孫4世代がこの山を見てきたのだ。
父が植林し育てた木、息子が受け継ぎ育て次に植林した木が
並んでいる。そして今、粛々と手が入り伸び行く木。
40年やってきたことが今のあの木々の姿だという彼女の言葉は
重い。でもねえ収入にはつながらなくてねウフフ」
「主人にお金が無いというと 山がきれいになったでって 
かわされるのよアハハハ」
「作業道を見たわ、間伐材で土手を固めてあって」と私が言うと
「そう、こつこつと延ばしていき出来たのよ。この道が出来たから、
作業車を入れて機械で材を持ち上げトラックに乗せられるの、
息子が日曜日に手伝いに来てやってますわ」と言う。

帰路、山道の疏水から聞こえる水音にしばらく耳を傾け、
透き通った水の姿に見とれた。

「あそこは、私、お勧めのスポットです。生気が蘇るでしょう」
と彼女が言った。
彼女も山を誇りにしているのだ。山を愛しているのだ。

 

 

 

 

 

 

| - | 22:07 | - | - | pookmark |